【地域密着型メーリングリストはいかが?】

■メーリングリストでわいわいおしゃべり

 「枚方/子育て・教育メーリングリスト」を2002年10月から運営しています。メーリングリスト(ML)というのは、ひとりのML参加者がメールを発信すると、登録している参加者全員に同じメールが配信されるというものです。

 ここに、子育て真っ最中の親たちや学校の教師などが集まり、みんなでワイワイ、メールでおしゃべりして交流しています。友人から友人へと輪が広がり、いろんな子育てサークルに関わっている人や、障害児や不登校児の親たち、大学の教育専門家、子どもの人権オンブズパーソンに関わる方など、実に多彩な顔ぶれが参加されています。もちろん、「フツーの主婦」(自称ですが。笑)もたくさんおられます。

 おもしろいのは、参加されている教師のクラスの生徒の親が、偶然にも参加してきて、[担任教師][保護者]の間でホンネの対話が成立することもあります。

 なぜ、こんなことをはじめたのか、少し説明させてください。

 わたしは、このML開設のさらに一年前に、「枚方・留守家庭児童会交流ML」を立ち上げました。

 きっかけは、枚方市立の留守家庭児童会室(学童保育)の土曜閉室問題でした。

■土曜閉室〜児童会ML開設へ

 枚方では、小学校の週5日制導入にともない、留守家庭児童会も土曜閉室が強行されてしまいました。児童会は、保育のためにあるわけですから、本来、学校が休みになっても関係ないわけです。保育所が土曜日も開室していることを考えたら誰でもわかります。

 また、学童保育に限った話ではないのでしょうが、親が子どもたちに関わる場としての保護者会は、とても大切な場所になっています。

 地域でのつながりが希薄になっている現在、そもそも親同士が知り合う場所が限られています。さらに、よその子どもと私たちとが触れあう場所もほとんどありません。保護者会では、もちつき大会やきもだめしを企画したりして、親が楽しむ(特に私が……笑)ことを最優先して運営してきました。そして、そのほとんどの企画を、従来は土曜を使って行ってきていたわけです。

 土曜日閉室は、そんな保護者会の活動を(意図はどうあれ)妨害するものとなったのです。

 当時、保護者会の役員をしていたわたしは、この問題に最初から関わることとなり、管轄の市教育委員会と何度も交渉や話し合いを持ちました。

 市教委との交渉では、土曜日も働いている親はたくさんいることや、保護者会の実情も訴えたのですが、聞く耳持たない形で閉室を強行されてしまいました。閉室が正式決定された教育委員会の会議を傍聴して、頭に来た私は、その日のうちに、枚方市全体の留守家庭児童会の保護者の横のつながりを作るメーリングリストを開設しました。

 指導員さんの労組が2つあったりして、なかなか全部がひとつにまとまって市と交渉するのが難しかったりする事情もあったのですが、そういう"ややこしい"ことも飛び越えて、保護者同士、直接つながりを持とう、という発想です。

 このメーリングリストの存在は、手前みそながら、大きな力を発揮してきていると思います。

 こういう問題は、市が決定するとあきらめムードで終息してしまいがちですが、メーリングリストに加わった人たちは、「なんとかしたい」と考えているのが自分だけではないんだ、ということがよくわかります。ML上でお互いに励ましあい、刺激を受けあいながら、いまも運動は地道に続けられています。

■教育MLへと発展

 枚方での子育て環境には、現在さまざまな問題が多々あります。

 市立の幼稚園が5園も一度に廃園にされてしまったり、障害児の普通学級への受け入れのハードルが高くされてきていたり。また、卒業式や入学式での日の丸・君が代強制やそれにともなう教師の強制異動などなど。

 こんな話しも、児童会MLで知り合った方たちから教えてもらいました。

 友だちから友だちへと口コミで広がったMLには、じつにいろんな人が参加するようになりました。児童会の保護者であっても、その立場はいろいろです。

PTAの役員もしていたり、自身が教師であったり。自然と話題は枚方の子育て環境や学校全般のことへと広がったため、1年後には、「児童会保護者」の枠を取り払った「子育て・教育ML」も併設しました。

■MLで地域社会に"復帰"

 わたしも民間企業のサラリーマンをやっていますが、このご時世で食べていくためには、オトコたちは結構長時間労働を強いられます。そのため、普通に生活していると、仕事一色の生活になってしまいがちです。

 「父親不在」といいますが、現在の日本では、企業社会ばかりが偏重され、その結果、働き盛りの男性は、家庭と地域社会への関わりがほとんどなくなってしまってます。

主力を担うべき世代が欠けたため、地域社会も家庭生活も壊れてきた、とも言えるのではないでしょうか。

 そして、この地域と家庭が壊れたツケが、いまの日本社会全体の変調の原因のひとつとなっているとわたしは思います。

 これではイカン。と思うのですが、不良社員Aを決め込んでいるわたしでも、そう簡単には長時間労働から逃れられません。

 もちろん、職場で労働者の権利が守られる環境を作り出すのが問題解決の正道ですが、明日からすぐに、というわけにもいきません。

 そこで、メーリングリスト(ML)などインターネットの活用で、地域社会に関わるというのも、即効性のある、ひとつの解決策だとわたしは思います。

 これなら、なんぼ長時間労働でも、夜中に参加できる……眠いけど(あせ)。

 日本中の人とおしゃべりできるのも魅力だけど、枚方のご近所さんを対象としたMLならば、知り合った人と実際に会ったりも簡単にできるし、自分や自分の子どもたちに直接関わりのある学校の問題やイベントなども知ることができる。知ったイベントにも参加しやすいし。

 実際、MLで紹介されたイベントで、MLで出会った人たちとも次々と実際に顔を合わせることも多くなり、友だちの輪がどんどん広がっています。

 MLに集まってきた方たちは、みなさん、スゴイです。障害児のたくましい親たちを始め、実に多彩な方たちが集まり、活発なおしゃべりがはじまっています。

 地域のいろんな情報が、どんどん入ってくるので、いまやわたしは、連れ合いにも負けない、地域の事情通になりつつあります(ちと大げさ?)。誤算だったのは、ML上でも主力は"母親"たちだったことかな? "おやじ"たち、がんばれ。

 ここでできた人のつながりを大切にし、わたしも地域社会への"復帰"を果たしていきたいと思っています。

「枚方/子育て・教育メーリングリスト」

 http://love-dugong.net/Hira-K/

 お問い合わせは、nabe@love-dugong.net(渡辺)までどうぞ。

※概略

2001年10月 枚方・留守家庭児童会室交流ML開設

2002年4月  枚方の留守家庭児童会土曜閉室

2002年10月 枚方/子育て・教育ML開設

※現在、両MLとも50名程度の参加者がおられます。

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